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2017-12-03

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その7です。

置換の集合 $H$ による 順列 $A$ の軌道を、$HA$ のように書くことにします。

$G(X, r)$ の根のどれか1つを、$G(X, r^{(i)})$ の根のどれか1つに移すガロア群の置換を $\tau_i$ とします。

$r$ に属する順列の群は $HA$ です。 $r^{(i)}$ に属する順列の群は $\tau_i HA$ です。 $$g(X) = G(X, r)G(X, r')G(X, r'') \cdots G(X, r^{(k-1)})$$ となるように、$r^{(i)}$ が選ばれているとします。 順列の群が直和分割されます。 $$GA = HA + \tau_1 HA + \tau_2 HA + \cdots + \tau_{k-1} HA$$ ガロア群 $G$ が左剰余類分割されます(同じ $G$ の文字で紛らわしくなってしまいました…)。 $$G = H + \tau_1 H + \tau_2 H + \cdots + \tau_{k-1} H$$

次は、補助方程式 $s(X)=0$ がガロア方程式(任意の根が他の根の $k$ 上の有理式で表されるもの)の場合です。

$f$ の $k(r)$ 上のガロア群を $H$ とします。
$f$ の $k(r^{(i)})$ 上のガロア群は $\tau_i H \tau_i^{-1}$ です。
$$k(r) = k(r') = \cdots = k(r^{(p-1)})$$ と仮定しているので $$H = \tau_i H \tau_i^{-1}$$ となり、$H$ は $G$ の正規部分群となります。

次は、$s(X)$ のすべての根 $r,r',\cdots,r^{(p-1)}$ を $k$ に添加して体 $K=k(r,r',\cdots,r^{(p-1)})$ を作った場合。

$s(X)$ のガロア分解式を作って、その根を $\zeta,\zeta',\zeta'',\cdots$ とすれば、 $$K= k(\zeta) = k(\zeta') = k(\zeta'') = \cdots$$ ですから、上記のように、$f$ の $K$ 上のガロア群は $G$ の正規部分群となります。

『ガロアを読む』にはありませんが、ガロア群の右剰余類分割について。

体 $k$ 上のガロア分解式 $g(X)$ を $k(r)$ 上で既約因子の積に分解します。 $$g(X) = G(X,r)G_1(X,r)G_2(X,r)\cdots$$ $G, G_1, G_2, \cdots$ の $X$ の次数は同じでなくてはなりません。なぜなら、各 $G, G_1, G_2, \cdots$ からは、$f$ の $k(r)$ 上のガロア群が求められますが、それらはみな置換の集合としては同じもので、位数も同じでなくてはならないからです。 $$g(X) = G(X,r)G_1(X,r)G_2(X,r)\cdots G_{k-1}(X,r)$$ $G(X,r)$ の根の1つを $\varphi(A)$ とします。$\varphi(A)$ を $G_i(X,r)$ の根のどれかに移すガロア群の置換を $\tau'_i$ とします。

$G(X,r)$ に属する順列の群は $HA$ です。 $G_i(X,r)$ に属する順列の群は $H\tau'_i A$ です。
$G_i(\tau_i\varphi(A),r)=0$ ならば、$h \in H$ に対して $G_i(h\tau_i\varphi(A),r)=0$ となるからです。

順列の群が直和分割されます。 $$GA = HA + H\tau'_1 A + H\tau'_2 A + \cdots + H\tau'_{k-1} A$$ ガロア群 $G$ が右剰余類分割されます。 $$G = H + H\tau'_1 + H\tau'_2 + \cdots + H\tau'_{k-1}$$
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2017-11-22

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その6です。

$\tau$ をガロア群の置換の1つとします。任意の $A_i \; (A=A_0,\; i = 0,1,\cdots,m-1)$ に対して、 $$\tau = \binom{A_i}{\tau(A_i)}, \quad \tau^{-1} = \binom{\tau(A_i)}{A_i}$$ が成立することが分かります。 $$\binom{\tau(A)}{\tau(A_i)}=\binom{A_i}{\tau(A_i)}\binom{A}{A_i}\binom{\tau(A)}{A}=\tau\binom{A}{A_i}\tau^{-1}$$ ですから $\binom{\tau(A)}{\tau(A_i)}$ は $\tau$ による $\binom{A}{A_i}$ の変形であることが分かります。

$$\tau = \binom{A}{B}$$ とします。

$r$ に関する順列の群は $$\{A,\; A_1,\; \cdots,\; A_{h-1}\}$$ $k(r)$ 上の $f$ のガロア群は $$\left\{\binom{A}{A},\; \binom{A}{A_1},\; \cdots,\;\binom{A}{A_{h-1}}\right\} = H$$ $r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{\tau(A),\; \tau(A_1),\; \cdots,\; \tau(A_{h-1})\}$$ $k(r^{(i)})$ 上の $f$ のガロア群は $$\left\{\binom{\tau(A)}{\tau(A)},\; \binom{\tau(A)}{\tau(A_1)},\; \cdots,\;\binom{\tau(A)}{\tau(A_{h-1})}\right\}$$ ですが次のように変形できます。 $$=\left\{\tau\binom{A}{A}\tau^{-1},\; \tau\binom{A}{A_1}\tau^{-1},\; \cdots,\;\tau\binom{A}{A_{h-1}}\tau^{-1}\right\} = \tau H\tau^{-1}$$ $k(r^{(i)})$ 上の $f$ のガロア群は、$k(r)$ 上の $f$ のガロア群の共役であることが証明できました。
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2017-11-19

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その5です。

$G(X, r)$ の根は、 $\{\xi,\; \lambda_1(\xi),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi)\}$ $$\xi=\varphi(A),\; \lambda_1(\xi)=\varphi(A_1),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi)=\varphi(A_{h-1})$$ なので、$r$ に関する順列の群は $$\{A,\; A_1,\; \cdots,\; A_{h-1}\}$$ $G(X, r^{(i)})$ の根は、 $\{\xi_i,\; \lambda_1(\xi_i),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi_i)\}$ $$\xi_i=\varphi(B),\; \lambda_1(\xi_i)=\varphi(B_1),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi_i)=\varphi(B_{h-1})$$ とすると、$r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{B,\; B_1,\; \cdots,\; B_{h-1}\}$$ となりますが、ガロアは、

 $\theta_p(\lambda_j(\xi))=\theta_q(\xi)$ ならば $\theta_p(\lambda_j(\xi_i))=\theta_q(\xi_i)$

(この意味は、
「$A_j$ の $p$ 文字めが $A$ の $q$ 文字めに等しいならば、$B_j$ の $p$ 文字めが $B$ の $q$ 文字めに等しい」
ただし、左はしの文字を0文字めと数える)

であるから、順列 $A_j$ から 順列 $B_j$ に移るには、順列 $A$ から 順列 $B$ に移るのと同じ置換(すなわち $\binom{A}{B}$)をほどこせばいい、と確認しています(確認してるだけで、この部分がどうしても必要というわけではありません)。

すなわち、$r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{\binom{A}{B}A,\; \binom{A}{B}A_1,\; \cdots,\; \binom{A}{B}A_{h-1}\}$$ です。
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2017-11-12

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その4です。

$G(X, r)$ は $k(r)$ 上既約なので、$G(X, r^{(i)})$ は $k(r^{(i)})$ 上既約です。
$G(X, r)$ の根。 $$\left\{\;\binom{A}{A}\varphi(A),\; \binom{A}{A_1}\varphi(A),\; \cdots,\; \binom{A}{A_{h-1}}\varphi(A)\;\right\}$$ $G(X, r^{(i)})$ の根の1つを $\varphi(B)$ とすると、$G(X, r^{(i)})$ の根。 $$\left\{\;\binom{A}{B}\binom{A}{A}\varphi(A),\; \binom{A}{B}\binom{A}{A_1}\varphi(A),\; \cdots,\; \binom{A}{B}\binom{A}{A_{h-1}}\varphi(A)\;\right\}$$ $\left\{ \binom{A}{A}, \binom{A}{A_1},\cdots,\binom{A}{A_{h-1}}\right\}$ が群になっていて合成に閉じていることから、
  • $\varphi(B)$ が $G(X, r)$ の根であれば、$B$ は $A, A_1, \cdots, A_{h-1}$ のいずれかで、$G(X, r^{(i)})$ の根はすべて $G(X, r)$ の根。
  • $\varphi(B)$ が $G(X, r)$ の根でなければ、$B$ は $A, A_1, \cdots, A_{h-1}$ のどれでもなく、$G(X, r^{(i)})$ の根はすべて $G(X, r)$ の根ではない。
2つの $G(X, r^{(i)}), G(X, r^{(i')})$ に対して両者の根がすべて一致するか、まったく根を共有しないか、のどちらかである。 $$h(X) = g(X)^j$$ であるから、$g$ の根は $h$ のなかに、したがって、ある $G(X, r^{(i)})$ の中に少なくとも1つ現れ、しかも $j$ 個の $G(X, r^{(i)})$ の中に現われる。上に述べたことから、$p$ 個の $G(X, r^{(i)})$ の中には $j$ 個ずつ等しいものが現れ、相違なる組の個数は $p/j = k$ 個ある。
各組から1つずつ選んで、$r$ の $'$ の数を書き換えることによって、 $$g(X) = G(X, r)G(X, r')G(X, r'') \cdots G(X, r^{(k-1)})$$ となる。
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2017-10-24

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その3です。

$G(X, r)$ の根を $\{\xi,\; \xi_1,\; \cdots,\; \xi_{h-1}\}$ とします(ここで $h$ を使ってました $\cdots$)。 $$k(\xi) = k(\xi_1) = \cdots = k(\xi_{h-1})$$ ですから、$\{\xi,\; \xi_1,\; \cdots,\; \xi_{h-1}\}$ はすべて $\xi$ の $k$ 上の多項式で表すことができます。 $$\xi = \lambda_0(\xi),\; \xi_1 = \lambda_1(\xi),\; \cdots,\; \xi_{h-1} = \lambda_{h-1}(\xi)$$ $$G(\xi, r)=G(\lambda_1(\xi), r)=\cdots=G(\lambda_{h-1}(\xi), r)=0$$ $G(\lambda_1(X), r)$ は $G(X, r)$ で割り切れます。なぜなら、根 $X=\xi$ を共有するからです。
$G(\lambda_1(X), r^{(i)})$ は $G(X, r^{(i)})$ で割り切れます。なぜなら、$r$ と $r^{(i)}$ の最小多項式は同じ $s(X)$ だからです。
したがって、$G(X, r^{(i)})$ の根は $G(\lambda_1(X), r^{(i)})$ の根です。

$G(X, r^{(i)})$ の根の1つを $\xi_i$ とします。$G(\xi_i, r^{(i)})=0$ です。すると $G(\lambda_1(\xi_i), r^{(i)})=0$ で、 $\lambda_1(\xi_i)$ も $G(X, r^{(i)})$ の根です。 他の $\lambda$ たちも同様です。

$G(X, r^{(i)})$ の根は $\{\xi_i,\; \lambda_1(\xi_i),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi_i)\}$ です。

$$\xi = \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$$ であったので、順列 $A = (\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}), A_1,\cdots$ などを定義して、 $$\xi = \varphi(A),\; \xi_1 = \varphi(A_1),\; \cdots,\; \xi_{h-1} = \varphi(A_{h-1})$$ $$\xi_i = \varphi(B)$$ とします。ただしこの表記法は『ガロアを読む』では使われていません。

$G(X, r)$ の根は、 $$\{\;\varphi(A),\; \varphi(A_1),\; \cdots,\; \varphi(A_{h-1})\;\}$$ ですが、次のようにも書けます。 $$\{\;\varphi(A),\; \lambda_1(\varphi(A)),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\varphi(A))\;\}$$ $G(X, r^{(i)})$ の根は、 $$\{\;\varphi(B),\; \lambda_1(\varphi(B)),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\varphi(B))\;\}$$ ですが、これは $G(X, r)$ の根の $A$ を $B$ に書き換えたものです。したがって $G(X, r^{(i)})$ の根は次のように書き直せます。 $$\left\{\;\binom{A}{B}\varphi(A),\; \binom{A}{B}\lambda_1(\varphi(A)),\; \cdots,\; \binom{A}{B}\lambda_{h-1}(\varphi(A))\;\right\}$$ 次のようにも書いても同じです。 $$\left\{\;\binom{A}{B}\varphi(A),\; \binom{A}{B}\varphi(A_1),\; \cdots,\; \binom{A}{B}\varphi(A_{h-1})\;\right\}$$ さらに、次のようにも書けます。 $$\left\{\;\varphi(\binom{A}{B}A),\; \varphi(\binom{A}{B}A_1),\; \cdots,\; \varphi(\binom{A}{B}A_{h-1})\;\right\}$$
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2017-10-16

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その2です。

$k$ 上の $p$ 次の既約方程式(ただし、 $p$ は必ずしも素数ではない) $$s(X) = 0$$ を補助方程式とし、その根を $r, r', r'', \cdots, r^{(p-1)}$ とします。

$k$ 上の ガロア分解式 $g$ が次のように体 $k' = k(r)$ 上で因数分解できたとします。 $$g(X) = G(X, r)Q(X, r)$$ $G(X, r), Q(X, r)$ は $k$ 上の $r$ の多項式を係数とする $X$ の多項式という意味です。両方ともモニック多項式( $X$ の最上位の係数が1である多項式)で、$G(X, r)$ は $k(r)$ 上既約な多項式とします。

$G(X, r)$ は $g(X)$ を割り切るわけですが、$G(X, r)$ の $r$ を他の共役根に置き換えた $G(X, r')$ も $g$ を割り切ります。それは実際に $g(X)$ を $G(X, r)$ で割る多項式の計算をしてみることを想像してみれば明らかです。計算にあらわれる $X$ の係数は $r$ の多項式ですが、それは $s(r) = 0$ を使って簡略化されます。この計算にあらわれる$r$ を $r'$ に置き換えれば、$g(X)$ を $G(X, r')$ で割る正しい計算になります。

$G(X, r)$ の $r$ を他の共役根に置き換えたものすべてを掛け合わせ $h(X)$ とします。(『ガロアを読む』では $h_0(X)$ となっていますが、なぜ 0 が付いているのかわかりません。) $$h(X) = G(X, r)G(X, r')\cdots\cdots G(X, r^{(p-1)})$$ この右辺は、 $r, r', r'', \cdots, r^{(p-1)}$ の任意の置換で不変なので、展開したものは、$k$ 上の多項式です。ですから、右辺を展開したものを $h(X)$ とします。(いちいち、展開したもの、と言わなくてもいい暗黙のルールがあるのでしょうか?)

$G(X, r), G(X, r'), \cdots\cdots, G(X, r^{(p-1)})$ はすべて $g(X)$ を割り切るので、$G(X, r), G(X, r'), \cdots\cdots, G(X, r^{(p-1)})$ の根はすべて $g(X)$ の根です。$g(X)$ はその根の $k$ 上の最小多項式です。ですから、$g(X)$ は $h(X)$ を割り切ります。$g(X)$ を $h(X)$ で割った商を新たに $Q(X)$ とします。 $Q(X)$ が 1 でないのなら、$Q(X)$ の根は $g(X)$ の根でもあるので、 $g(X)$ で割り切れます。その割り算の商を新たに $Q(X)$ として… と繰り返すことができます。ある自然数 $j$ があって、 $$h(X) = g(X)^j$$ が成立します。
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2017-10-12

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 を整理したいと思います。

$k$ 上の $p$ 次の既約方程式 $$s(X) = 0$$ を補助方程式と考え、その根を $r, r', r'', \cdots, r^{(p-1)}$ としよう。ここに $p$ は必ずしも素数ではない。

ガロア分解式 $g$ が次のように体 $k' = k(r)$ 上で因数分解できたとする。 $$g(X) = G(X)Q(X)$$ $G, Q$ は $k(r)$ 上の多項式で、$G(X)$ は $\xi$ を根とする $k(r)$ 上既約なモニック多項式( $X$ の最上位の係数が1である多項式)とする。 $\xi$ は $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の有理数体上の有理式であり、 $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ は $\xi$ の $k$ 上の有理式だから、無論 $k(r)$ 上の有理式である。ゆえに、$f$ を $k(r)$ の多項式と考えたとき、$G$ は $f$ のガロア分解式となる(このことを簡単に、$G$ は $k(r)$ 上の $f$ の分解式であるという)。

$f$ の $k$ 上のガロア群を求め(それを $G$ とします)、その性質を証明したのとまったく同様に、$f$ の $k(r)$ 上のガロア群が求まり(それを $H$ とします)、性質が証明される。 すなわち、
  1.  $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の $k(r)$ 上の有理式すべてに対して、その値が $k(r)$ に属するならば $H$ の置換は、その値を変えない。この性質を持つ $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の置換は、$H$ の置換以外にはない。
  2.  $H$ の置換のすべてで値を変えない $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の $k(r)$ 上の有理式の値は、$k(r)$ に属する。
$H$ の置換は、$\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の $k$ 上の有理式すべてに対して、その値が $k$ に属するならば、値を変えないので、$G$ の部分群です。
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2017-09-13

原方程式 $k$ 上の重根を持たない $n$ 次方程式 $f(X)=0$
原方程式の根 $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$
$$\xi = c\alpha + c_1\alpha_1 + \cdots + c_{n-1}\alpha_{n-1} = \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$$ ただし、$\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$ は、$\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ は $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$の任意の置換ですべて異なる値になる。$c, c_1,\cdots,c_{n-1}$ は有理数(整数としてもよい)。
$\xi$ の $k$ 上の最小多項式がガロア分解式で $g(X)$ 、次数は $m$、 この多項式の根は $\xi, \xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ の $m$ 個。
$\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ は $k$ 上の多項式。 $$\xi = \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) \qquad (\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = (\theta(\xi),\theta_1(\xi),\cdots,\theta_{n-1}(\xi))$$ という関係があります。

$f_1(X),f_2(X)$ を $k$ 上の多項式とします。
$f_1(\xi)=f_2(\xi)$ ならば、 $f_1(\xi_1)=f_2(\xi_1), f_1(\xi_2)=f_2(\xi_2), \cdots, f_1(\xi_{m-1})=f_2(\xi_{m-1})$ のすべてが成立します。

$f_1(X)-f_2(X)$ は $g(X)$ と根 $\xi$ を共有してます。ゆえに、$f_1(X)-f_2(X)$ は $g(X)$ で割り切れ、他の根 $\xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ も共有します。

同じ値の多項式は、すべて同じ値の多項式に変換されます。 また、値が0となる多項式のみが、値が0となる多項式に変換されます。
例えば、$f_1(\xi_1)=0$ なら逆の変換で $f_1(\xi)=0$ になります。

$f_1(X),f_2(X)$ を $k$ 上の有理式としても、 $f_1(\xi)=f_2(\xi)$ ならば、 $f_1(\xi_1)=f_2(\xi_1), f_1(\xi_2)=f_2(\xi_2), \cdots, f_1(\xi_{m-1})=f_2(\xi_{m-1})$ のすべてが成立することが分かります。 それゆえに、値で類別して、値を値に移す写像として well-defined です。 有理関係を変えない変換になっています。(先に多項式について述べるのは、有理式を変換したときに、分母が0になることがないことを示すため)この性質は、$\xi, \xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ が $k$ 上の最小多項式 $g(X)$ を共有しているから、と言ってもいいですね。

$\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の順列 $A,A_1,\cdots,A_{m-1}$ を定義します。 \begin{eqnarray} A &=& (\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = (\theta(\xi),\theta_1(\xi),\cdots,\theta_{n-1}(\xi))\\ A_1 &=& (\alpha', \alpha_1', \cdots, \alpha'_{n-1}) = (\theta(\xi_1),\theta_1(\xi_1),\cdots,\theta_{n-1}(\xi_1))\\ A_2 &=& (\alpha'', \alpha_1'', \cdots, \alpha''_{n-1}) = (\theta(\xi_2),\theta_1(\xi_2),\cdots,\theta_{n-1}(\xi_2))\\ &\vdots&\\ A_{m-1} &=& (\alpha^{(m-1)}, \alpha_1^{(m-1)}, \cdots, \alpha_{n-1}^{(m-1)}) = (\theta(\xi_{m-1}),\theta_1(\xi_{m-1}),\cdots,\theta_{n-1}(\xi_{m-1})) \end{eqnarray} これらから、$A$ から出発する置換の集合が作られます。置換の集合 $S$ とします。 $$S = \left\{\binom{A}{A},\ \binom{A}{A_1},\ \cdots, \ \binom{A}{A_{m-1}} \right\}$$ $F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$ を $k$ 上の任意の有理式とします。 $$F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = F(\theta(\xi),\theta_1(\xi),\cdots,\theta_{n-1}(\xi))$$ と書けるので、$F$ は $\xi$ の $k$ 上の有理式とみなせます。$\xi$ の $k$ 上の最小多項式 $g$ があるから、$\xi$ の $k$ 上の多項式に直せます。それを $\psi(\xi)$ とします。次数は、$g$ の次数 $m$ より小さい。
$$F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = F(\theta(\xi),\theta_1(\xi),\cdots,\theta_{n-1}(\xi)) = \psi(\xi)$$ これに、集合 $S$ の置換を施します。 $$\binom{A}{A} F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = F(\theta(\xi),\theta_1(\xi),\cdots,\theta_{n-1}(\xi)) = \psi(\xi)$$ $$\binom{A}{A_1} F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = F(\theta(\xi_1),\theta_1(\xi_1),\cdots,\theta_{n-1}(\xi_1)) = \psi(\xi_1)$$ $$\binom{A}{A_{m-1}} F(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = F(\theta(\xi_{m-1}),\theta_1(\xi_{m-1}),\cdots,\theta_{n-1}(\xi_{m-1})) = \psi(\xi_{m-1})$$ これらのすべてが同じ値になったとします。 $$\psi(\xi) = \psi(\xi_1) = \cdots = \psi(\xi_{m-1})$$ 次数が $m$ より小さい多項式が、$m$ 個の異なる値で、同じ値になるということは、$\psi$ は定数項しかないことになります。したがって、$\psi(\xi)$ の値は体 $k$ に属すします。

逆に$\psi(\xi)$ の値が体 $k$ に属するならば、$\psi$ は定数項しかありません。したがって、 $$\psi(\xi) = \psi(\xi_1) = \cdots = \psi(\xi_{m-1})$$ が成立します。

集合 $S$ の置換は、$k$ 上の $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ のすべての有理式に対して、その値が $k$ に属するならば値を変えません。また、この性質をもつ $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の置換は、集合 $S$ の置換しかありません。もし、あればその置換を、 $$g(\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}))=0$$ に施せば矛盾します。

順列の集合 $\{A, A_1, \cdots, A_{m-1}\}$ から、$A_1$ から出発する置換の集合 $S_1$ を定義します。 $$S_1 = \left\{\binom{A_1}{A},\ \binom{A_1}{A_1},\ \cdots, \ \binom{A_1}{A_{m-1}} \right\}$$ $F(\alpha', \alpha'_1, \cdots, \alpha'_{n-1})$ を $k$ 上の任意の有理式として、集合 $S_1$ の置換を施すと、$S$ のときと同様の性質がわかります。
集合 $S_1$ の置換は、$k$ 上の $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ のすべての有理式に対して、その値が $k$ に属するならば値を変えません。また、この性質をもつ $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の置換は、集合 $S_1$ の置換しかありません。ですから、$S_1$ は $S$ と置換の集合としては同じものです。

順列の集合 $\{A, A_1, \cdots, A_{m-1}\}$ から、どの順列を出発点とする置換の集合をつくっても、置換の集合としては同じものになります。 したがって、置換の集合 $S$ は群になっています。

置換の集合 $S$ がガロア群です。ガロアの群の定義を使えば、対称性から群になっていると言えるわけです。
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2017-09-05

$k$ 上の多項式 $\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ の存在については、ガロアは別の方法で証明していると『ガロアを読む』に書いてあります。整理してみると、ガロアはガロア分解式を使って証明したようです。
$$\xi = c\alpha + c_1\alpha_1 + \cdots + c_{n-1}\alpha_{n-1} = \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$$ $$G(X) = (X-\xi)(X-\xi_1)\cdots(X-\xi_{n!-1})$$ $G(X)$ を展開した後、体 $k$ で因数分解し、既約因子のうち $\xi$ を根に持つものを $g(X)$ とし、その次数を $m$ とします。$g(X)$ の $m$ 個の根を $\xi, \xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ とします。 $$G(X) = (X-\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})) (X-\varphi(\alpha', \alpha_1', \cdots, \alpha'_{n-1})) \cdots (X-\varphi(\alpha^{(n!-1)}, \alpha_1^{(n!-1)}, \cdots, \alpha^{(n!-1)}_{n-1}))$$ $\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$ の1文字め(最初の引数)が $\alpha$ になってるもの、 $\alpha_1$ になってるもの、$\alpha_2$ になってるもの、という風に分類し、$G_0(X), G_1(X), \cdots, G_{n-1}(X)$ とします。 $$G(X)=G_0(X)G_1(X) \cdots\cdots G_{n-1}(X)$$ です。 $G_0(X)$ の $\alpha$ を 文字 $Y$ で置き換えて、$G_0(X,Y)$ として、$X,Y$ の多項式とします。その係数は $\alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の多項式で、$\alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の対称式になっています。 $\alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の基本対称式は、原方程式の係数を使って、$\alpha$ の $k$ 上の多項式として表すことができます。 $$G_0(X,Y) = \sum A_{ij}(\alpha)X^iY^j$$ この $\alpha$ をさらに $Y$ で置き換えて $F(X,Y)$ とします。 $$F(X,Y) = \sum A_{ij}(Y)X^iY^j$$ $$F(X,\alpha) = G_0(X,\alpha) = G_0(X)$$ $\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$ の最初の引数を固定したものから作ったことが本質的で、$G_1(X), G_2(X), \cdots$ のどれから作っても、結局同じ多項式 $F(X,Y)$ が出来ます。 $$F(X,\alpha_1) = G_1(X),\; F(X,\alpha_2) = G_2(X),\; \cdots, \; F(X,\alpha_{n-1}) = G_{n-1}(X)$$ $$G(X)=F(X,\alpha)F(X,\alpha_1)\cdots F(X,\alpha_{n-1})$$ この中で、$(X-\varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}))$ を因子として持つのは、$F(X,\alpha)$ のみです。ゆえに、$F(\xi,\alpha)=0$ で、 $F(\xi,\alpha_1)\ne 0,\cdots, F(\xi,\alpha_{n-1})\ne 0$ です。

こうして、$f(Y)$ と $F(\xi,Y)$ の共通因子は $Y-\alpha$ だけです。 すなわち、$Y-\alpha$ は $f(Y)$ と $F(\xi,Y)$ の最大公約元であるが、$f(Y)$ も $F(\xi,Y)$ も $k(\xi)$ 上の多項式だから $Y-\alpha$ もそうなり、$\alpha$ は $k(\xi)$ の元であることが分かります。すなわち $\alpha$ は $\xi$ の有理式(実は多項式)で表されます。それを $\theta_0$ とします。
$$\alpha = \theta_0(\xi)$$ $f(Y)$ と $F(\xi,Y)$ の最大公約元は、ユークリッド互除法で求めることができます。その時、$\xi$ の最小多項式が必要になりますが、それは $g(X)$ です。
$$\xi_1 = \varphi(\alpha', \alpha_1', \cdots, \alpha'_{n-1})$$ においても、$f(Y)$ と $F(\xi_1,Y)$ の共通因子は $Y-\alpha'$ だけです。 $\xi_1$ の最小多項式も $g(X)$ ですから、まったく同じ形の $\xi_1$ の有理式で表されます。 $$\alpha' = \theta_0(\xi_1)$$ 同様に、$\varphi$ の2番目の引数を固定したものから $\theta_1$ が、3番目の引数を固定したものから $\theta_2$ が、……、と求められます。

$\varphi$ は、$\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の順列を数 $\xi, \xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ に対応させる関数とみなせますが、 $\theta_i$ は逆に $\xi, \xi_1, \cdots, \xi_{m-1}$ から、それ自身を定義した順列の $i+1$ 番目の値を返す関数になっています。


原方程式(ガロア第1論文では「与えられた方程式」)、正確には原多項式というべきかもしれませんが、 $$f(X) = X^n + a_1 X^{n-1} + \cdots\cdots + a_n$$ において、解と係数の関係は、4次の場合で、 \begin{eqnarray} -a_1 &=& \alpha + \alpha_1 + \alpha_2 + \alpha_3 \\ a_2 &=& \alpha\alpha_1 + \alpha\alpha_2 + \alpha\alpha_3 + \alpha_1\alpha_2 + \alpha_1\alpha_3 + \alpha_2\alpha_3\\ -a_3 &=& \alpha\alpha_1\alpha_2 + \alpha\alpha_1\alpha_3 + \alpha\alpha_2\alpha_3 +\alpha_1\alpha_2\alpha_3 \\ a_4 &=& \alpha\alpha_1\alpha_2\alpha_3 \end{eqnarray} となりますが、$\alpha_1,\alpha_2,\alpha_3$ の基本多項式は $\alpha$ の多項式で表すことが出来ます。 \begin{eqnarray} -a_1 - \alpha &=& \alpha_1 + \alpha_2 + \alpha_3 \\ a_2 + a_1\alpha + \alpha^2 &=& \alpha_1\alpha_2 + \alpha_1\alpha_3 + \alpha_2\alpha_3\\ -a_3 - a_2\alpha - a_1\alpha^2 - \alpha^3&=& \alpha_1\alpha_2\alpha_3 \end{eqnarray}
この証明は手法としても面白いし、ガロア理論の予行演習としての意味もありそうです。ガロア第1論文は、ガロア分解式(ガロアは補助方程式とよんでいたそうです)の研究論文ともいえるので、こっちの証明のほうが、論文としてビシッと筋が通った感じすると思います。
ラグランジュとの数学観の相違から、ラングランジュの亜流であることを拒んだ、というのは考えすぎでは? という気がします。
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2017-08-27

$f(X)$ を体$k$ 上の重根をもたない $n$ 次の多項式とし(既約とは仮定してません)、その根を $ \alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ とする。 $$\xi = c\alpha + c_1\alpha_1 + \cdots + c_{n-1}\alpha_{n-1}$$ が、 $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の任意の置換によってすべて異なる値になるように有理数 $c, c_1, \cdots, c_{n-1}$ を選ぶことができる。
$$\alpha = \theta_0(\xi), \quad \alpha_1 = \theta_1(\xi), \quad \cdots\cdots, \quad \alpha_{n-1} = \theta_{n-1}(\xi)$$ となる、 $\xi$ の $k$ 上の有理式(実は多項式) $\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ が存在する。

『ガロアを読む』では、はっきり定義されてませんが、次のように $\varphi$ が定義されていると思ってもいいようです。 $$\xi = c\alpha + c_1\alpha_1 + \cdots + c_{n-1}\alpha_{n-1} = \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$$ $\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ の存在は、『ガロアを読む』では、ラングランジュの補間式を使う方法で証明されています。

$(\alpha', \alpha_1', \cdots, \alpha'_{n-1}), \ \ (\alpha'', \alpha_1'', \cdots, \alpha''_{n-1}), \ \ \cdots,\ \ (\alpha^{(n!-1)}, \alpha_1^{(n!-1)}, \ \cdots,\ \ \alpha^{(n!-1)}_{n-1})$ を
$(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$ の、どの2つも異なる順列とします。 \begin{eqnarray} \xi &=& \varphi(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})\\ \xi_1 &=& \varphi(\alpha', \alpha_1', \cdots, \alpha'_{n-1})\\ \xi_2 &=& \varphi(\alpha'', \alpha_1'', \cdots, \alpha''_{n-1})\\ &\vdots&\\ \xi_{n!-1} &=& \varphi(\alpha^{(n!-1)}, \alpha_1^{(n!-1)}, \cdots, \alpha^{(n!-1)}_{n-1})\\ \end{eqnarray} として、xy座標上(x, y は複素数であったりしますが)の $n!$ 個の点、$(\xi,\alpha),(\xi_1,\alpha'),(\xi_2,\alpha''), \cdots, (\xi_{n!-1},\alpha^{(n!-1)})$ を通る多項式を求めると、対称性から体$k$ 上の多項式であり、$\theta_0$ になっています。これと本質的には同じ方法による証明が『ガロアを読む』に書かれています。
同様に、$(\xi,\alpha_1),(\xi_1,\alpha_1'),(\xi_2,\alpha_1''), \cdots, (\xi_{n!-1},\alpha^{(n!-1)}_1)$ の $n!$ 個の点を通る多項式といて $\theta_1$ が求められます。$\theta_2,\cdots,\theta_{n-1}$ も同様です。
\begin{array}{cccc} \alpha = \theta_0(\xi),& \alpha_1 = \theta_1(\xi),& \cdots\cdots,& \alpha_{n-1} = \theta_{n-1}(\xi)\\ \alpha' = \theta_0(\xi_1),& \alpha_1' = \theta_1(\xi_1),& \cdots\cdots,& \alpha'_{n-1} = \theta_{n-1}(\xi_1)\\ \alpha'' = \theta_0(\xi_2),& \alpha_1'' = \theta_1(\xi_2),& \cdots\cdots,& \alpha''_{n-1} = \theta_{n-1}(\xi_2)\\ \vdots & \vdots & \vdots & \vdots\\ \alpha^{(n!-1)} = \theta_0(\xi_{n!-1}),& \alpha_1^{(n!-1)} = \theta_1(\xi_{n!-1}),& \cdots\cdots,& \alpha^{(n!-1)}_{n-1} = \theta_{n-1}(\xi_{n!-1}) \end{array} が、成立しているこになります。
$$k(\xi) \subseteq k(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1})$$ は自明ですが、$\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ の存在より $$k(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) \subseteq k(\xi)$$ であり、 $$k(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = k(\xi)$$ が示されます。$k(\xi_1), k(\xi_2), \cdots, k(\xi_{n!-1})$ も同様ですから、 $$k(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = k(\xi) = k(\xi_1) = k(\xi_2) = \cdots =k(\xi_{n!-1})$$ となることが分かります。
ところが『ガロアを読む』では、 $k(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = k(\xi_1)$ などを示すのに、議論を必要としています。 $\xi$ の最小多項式の共役根とか、次数がどうの、といった議論です。 $\theta_0, \theta_1, \cdots, \theta_{n-1}$ の存在証明に使ったラングランジュの補間式を調べればいいだけなのですが。
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