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2018-02-17

『ガロアを読む』の §17. 代数的可解性の必要十分条件 その1です。

$a$ が体 $\mathbb{k}$ の元の $p$(素数)乗でなければ、$X^p-a$ は $\mathbb{k}$ 上既約である。

[証明] $$X^p-a=f(X)g(X) \qquad (f,g \in \mathbb{k}[X],\;0 \lt \mathrm{deg} f \lt p)$$ とする(つまり可約だと仮定する)。$\zeta$ を1の原始 $p$ 乗根とする。$f(X)$ の根は $\zeta^i\alpha\quad(\alpha = \sqrt[p]{a},\; i \lt p)$ だから、$f(X)$ の定数項 $b\:(\in \mathbb{k})$ は $\zeta^j\alpha^k\;(0\lt k \lt p)$ の形である。 $$b=\zeta^j\alpha^k$$ $\zeta^p = 1,\; \alpha^p = a$ だから(両辺を $p$ 乗して) $$b^p=\zeta^{jp}\alpha^{kp}=a^k$$ である。$k$ と $p$ は互いに素だから、 $$rk+sp=1$$ を満たす整数 $r,s$ が存在する。このとき $$a=a^{rk+sp}=(a^k)^r \cdot a^{sp}=b^{rp}\cdot a^{sp}=(b^ra^s)^p$$ これは $\mathbb{k}$ の元 $b^r a^s$ の $p$ 乗であり、仮定に反する。(証明終り)

$a$ が体 $\mathbb{k}$ の元の $p$(素数)乗であれば、明らかに $X^p-a$ は $\mathbb{k}$ 上可約です。したがって
「$p$を素数として、$X^p-a$ が $\mathbb{k}$ 上既約であるには、$a$ が体 $\mathbb{k}$ の元の $p$ 乗でないことが必要十分である」ことがわかります。
$\zeta$ (1の原始 $p$ 乗根)が $\mathbb{k}$ に含まれることを仮定しなくても、この命題が成立することもわかります。

この命題と証明は、『ガロアを読む』の73,74ページ(§10. 代数的可解性の原則)にあります。
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2018-02-04

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その6です。

$\varphi$ は $\mathbb{k}$ 上の有理式とします。 $$\psi = \varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$$ $\psi$ を不変にするガロア群の置換の全体を $H$ として、 $H$ でガロア群 $G$ を左剰余類分割して、 $$G = H + \sigma_1 H + \cdots + \sigma_{k-1}H$$ $e$ (単位元)$, \sigma_1, \cdots, \sigma_{k-1}$ を $\psi$ に作用させたものをつくり、 $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ これらを根とする多項式 $\Psi(X)$ をつくります。 $$\Psi(X) = (X-\psi)(X-\sigma_1\psi)\cdots(X-\sigma_{k-1}\psi)$$ $\Psi(X)$ は $\psi$ を根とする $\mathbb{k}$ 上既約な多項式です。

$f$ の $\mathbb{k}(\psi)$ 上のガロア群が存在し、それは $H$ であることを証明します。
( $f$ の $\mathbb{k}(\psi)$ 上のガロア群とは $\mathrm{Gal}(\,\mathbb{k}(\psi, \xi)/\mathbb{k}(\psi)\,)$ を $\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1}$ の置換群として表現したものです。)

$\mathbb{k}$ 上のガロア分解式 $g(X)$ を $\mathbb{k}(\psi)$ 上で因数分解して $\xi$ を根とする因子が、$\mathbb{k}(\psi)$ 上のガロア分解式です。 $\mathbb{k}(\psi)$ 上のガロア群は、$\mathbb{k}$ 上のガロア群の部分群で、かつ $\mathbb{k}(\psi)$ の元を、つまり $\psi$ の値を変えない置換でなくてはなりません。したがって、 $H$ の元のみから構成されていなくてはなりません。

また、$\psi', \psi'',\cdots$ を $\psi$ の共役根とすると、 $$g(X) = G(X,\psi)G(X,\psi')G(X,\psi'')\cdots$$ と分解されなければならず、ガロア分解式の次数はガロア群の位数と同じなので、 $H$ の元すべてが $\mathbb{k}(\psi)$ 上のガロア群の元とならなくてはなりません。そうでなければ、$\psi$ の共役根の個数がたりなくなってしまいます。

以上でこの命題の証明は済んだけど、『ガロアを読む』では別の方法で証明しています。ここに書いた証明の方が本来あるべきだと思います。前節の命題を使った簡潔なものだからです。倉田先生は他の文献の影響を受けたのだと思います。

前節の命題とは、
$\mathbb{k}$ 上のガロア分解式 $g(X)$ が、$\mathbb{k}$ 上の既約多項式 $s(X)$ の根 $r$ を使って分解されるとする。この場合ガロア分解式は、 $$g(X) = G(X,r)G(X,r')G(X,r'')\cdots$$ の形に $s(X)$ の次数の約数個の多項式の積で表すことができる。ここで、$r',r'',\cdots$ も $s(X)$ の根である。
のことで、とても重要なものです。「ガロア分解式の分解定理」とか名前をつけられるべきです。ただ残念ながらガロアはこの定理を完全には証明していません。ガロア第1論文では「素数 $p$ 次」( $s(X)$ の次数のこと)と置いていたのを消しているそうです。原稿の余白には、

『ガロアを読む』144ページ
この証明の中にはいくつかの補足すべきものがある.時間がない(Je n'ai pas le temps.).
と非常な早さで書き込まれているそうです。

上記の(仮称)分解定理の証明がどの文献にあったのか『ガロアを読む』に書かれていません。倉田先生ご自身の発案かもしれません。そうならば倉田先生の古典研究の成果として高く評価せざろう得ないです。どうやら、「ガロアの基本定理」とか「ガロア理論の主定理」と現在よばれているものを使わない形で ガロア第1論文 を読むのが正しいようです。
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2018-02-01

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その5です。

ガロア群 $G$ の部分群 $H$ が与えられたとき、 $H$ の置換によっては値を変えず、$G$ の $H$ 以外の置換すべてで値が変化する、 $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の $\mathbb{k}$ 上の有理式が存在することを証明します。

$H$ でガロア群 $G$ を左剰余類分割します。 $$G = H + \sigma_1 H + \cdots + \sigma_{k-1}H$$ $\xi$ はガロア分解式 $g(X)$ の根で、$\mathbb{k}(\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}) = \mathbb{k}(\xi)$ でした。
$H$ による $\xi$ の軌道を次のように定義します。 $$H\xi = \{\xi,\; \xi_1,\; \cdots, \; \xi_{h-1} \}$$ これに、剰余類分割に現れる $\sigma_1, \cdots, \sigma_{k-1}$ を施したものを定義します。 $$\sigma_i H\xi = \{\sigma_i\xi,\; \sigma_i\xi_1,\; \cdots, \; \sigma_i\xi_{h-1} \} = \{\xi^{(i)},\; \xi_1^{(i)},\; \cdots, \; \xi^{(i)}_{h-1} \}$$ $H\xi$ に $H$ の置換を施せば、$\xi,\; \xi_1,\; \cdots, \; \xi_{h-1}$ は並び方を変えるだけです。
$H\xi$ に $H$ 以外の置換を施せば、$\xi,\; \xi_1,\; \cdots, \; \xi_{h-1}$ は一斉に、それぞれが $\xi^{(i)},\; \xi_1^{(i)},\; \cdots, \; \xi^{(i)}_{h-1} \; (1 \le i \le k-1)$ のどれかに移ります。これは群の剰余類分割の性質から分かることです。

$k$ 個の多項式を定義します。$T$ は不定元です。 $$\begin{eqnarray} h_0(T) &=& (T-\xi)(T-\xi_1)\cdots\cdots(T-\xi_{h-1})\\ h_1(T) &=& (T-\xi^{(1)})(T-\xi^{(1)}_1)\cdots\cdots(T-\xi^{(1)}_{h-1})\\ &\vdots&\\ h_i(T) &=& (T-\xi^{(i)})(T-\xi^{(i)}_1)\cdots\cdots(T-\xi^{(i)}_{h-1})\\ &\vdots&\\ h_{k-1}(T) &=& (T-\xi^{(k-1)})(T-\xi^{(k-1)}_1)\cdots\cdots(T-\xi^{(k-1)}_{h-1}) \end{eqnarray}$$ 明らかにどの2つの多項式も同じではありません(根が共有されてませんから)。
$h_0(t)$ がすべての $h_1(t),\cdots,h_{k-1}(t)$ と異なるように $t$ を選ぶことができます。 $$h_0(T) = h_1(T), \quad h_0(T) = h_2(T), \quad\cdots\cdots,\quad h_0(T) = h_{k-1}(T)$$ の根はそれぞれ有限個だから、それらと違う有理数が存在します。 $$\psi = h_0(t)$$ において、$\xi,\; \xi_1,\; \cdots, \; \xi_{h-1}$ を $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の $\mathbb{k}$ 上の有理式で表し代入します。 すると、$\psi$ は $\mathbb{k}$ 上の $\alpha, \alpha_1, \cdots, \alpha_{n-1}$ の有理式であり、 $H$ の置換によっては値を変えず、$G$ の $H$ 以外の置換すべてで値が変化します。
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2018-01-27

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その4です。

$\varphi$ は $k$ 上の有理式とします。 $$\psi = \varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$$ $\psi$ を不変にするガロア群の置換の全体を $H$ として、 $H$ でガロア群 $G$ を左剰余類分割します。 $$G = H + \sigma_1 H + \cdots + \sigma_{k-1}H$$ $e$ (単位元)$, \sigma_1, \cdots, \sigma_{k-1}$ を $\psi$ に作用させたものをつくります。 $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ これらを根とする多項式 $\Psi(X)$ をつくります。 $$\Psi(X) = (X-\psi)(X-\sigma_1\psi)\cdots(X-\sigma_{k-1}\psi)$$ これを展開したときの $X$ の係数は、ガロア群 $G$ の置換で不変です。なぜなら、$G$ の置換は $\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$ の置換を引き起こすだけだからです。ゆえに $\Psi(X)$ は体 $k$ 上の多項式です。

仮に $\Psi(X)$ が $k$ 上で因数分解できたとします。$\psi$ を根とする因子を $\Psi'(X)$ とすると、 $$\Psi'(\psi) = 0$$ ですが、これに $\sigma_1,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}$ を作用させると、 $$\Psi'(\psi) = \Psi'(\sigma_1\psi) = \cdots = \Psi'(\sigma_{k-1}\psi) = 0$$ となって矛盾します。 $\Psi(X)$ は $k$ 上既約な多項式です。
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2018-01-19

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その3です。

$H$ を ガロア群 $G$ の部分群として左剰余類分割します。 $$G = H + \sigma_1 H + \cdots + \sigma_{k-1}H$$ $G$ が $H,\sigma_1 H,\cdots,\sigma_{k-1}H$ で直和に分割されます。 $\rho$ を $G$ の任意の置換として、これらに作用させます。 $$\rho H,\rho\sigma_1 H,\cdots,\rho\sigma_{k-1}H$$ が生じますが、これは $$H,\sigma_1 H,\cdots,\sigma_{k-1}H$$ を並び変えたものになります。
証明するには、任意の $a \in G$ で、 $$a \in H \quad \Longleftrightarrow \quad aH = H$$ となる( $\Longleftrightarrow$ は同値の意味)ことを使えば簡単です。 たとえば、$a_1 \in H$ として、$\rho\sigma_1 a_1 \in \rho\sigma_1 H$ が $\sigma_2 H$ に含まれていたとします。すると、ある $a_2 \in H$ があって $$\rho\sigma_1 a_1 = \sigma_2 a_2$$ となりますが、これを $H$ に作用させれば、 $$\rho\sigma_1 a_1 H = \sigma_2 a_2 H$$ $$\rho\sigma_1 H = \sigma_2 H$$ となることがわかります。

ということで、 $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ に任意の $\rho \ni G$ を作用させたもの $$\rho\psi,\; \rho\sigma_1\psi,\; \cdots,\; \rho\sigma_{k-1}\psi$$ は $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ の並びを変えたものになります(同じ並びになる場合もあるけど)。
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2018-01-17

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その2です。

$\varphi$ は $k$ 上の有理式として、 $$\psi = \varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$$ とおきます。$\psi$ を不変にする(つまり $\varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$ の値を変えない)ガロア群の置換の全体は、ガロア群 $G$ の部分群で $H$ とします。$G$ を $H$ で左剰余類分割します。 $$G = H + \sigma_1 H + \cdots + \sigma_{k-1}H$$ この $\sigma_1,\cdots,\sigma_{k-1}$ を $\psi$ に作用させて、 $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ が得られますが、これは $\psi$ から $G$ の置換で生じるもののすべてです。 もし $$\sigma_1\psi = \sigma_2\psi$$ とすれば、 $$\psi = \sigma_1^{-1}\sigma_2\psi$$ ですから、 $$\sigma_1^{-1}\sigma_2 \in H$$ ゆえに $$\sigma_2 \in \sigma_1H$$ となって矛盾します。 $$\psi,\; \sigma_1\psi,\; \cdots,\; \sigma_{k-1}\psi$$ はすべて異なる値で、同じ値のものはありません。
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2018-01-01

『ガロアを読む』の §16. 根の有理式の添加によるガロア群の簡約 その1です。

『ガロアを読む』146ページ
この節ではもっぱら原方程式 $f = 0$ の根 $\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1}$ の $k$ 上の有理式の添加について考察する。

$\varphi$ は $k$ 上の有理式とします。 $$\psi = \varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$$ $\psi$ を不変にする(つまり $\varphi(\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1})$ の値を変えない)ガロア群の置換の全体を $H$ とする。

$\alpha, \alpha_1,\cdots, \alpha_{n-1}$ の順列の群 $\{A_0, A_1, \cdots, A_{m-1}\}$ のうち、$\{A_0, A_1, \cdots, A_{h-1}\}$ があって、それのみが、 $$\psi = \varphi(A_0) = \varphi(A_1) = \cdots = \varphi(A_{h-1})$$ となるものとします。 $$H = \left\{\binom{A_0}{A_0}, \binom{A_0}{A_1}, \cdots, \binom{A_0}{A_{h-1}}\right\}$$ となります。 $\varphi(A_1)$ が最初に定義されたものと思って、$\varphi(A_1)$ の値を変えないガロア群の置換の全体を求めれば、これも $H$ とならなければなりません(同じ値に関するものなので)。 $$H = \left\{\binom{A_1}{A_0}, \binom{A_1}{A_1}, \cdots, \binom{A_1}{A_{h-1}}\right\}$$ ほかの $A_i \quad i= 0,1,\cdots,h-1$ についても、$\varphi(A_i)$ が最初に定義されたものと思えば同様なので、$H$ は群になっていることがわかります。 $H$ は $G$ の部分群です。
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2017-12-03

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その7です。

置換の集合 $H$ による 順列 $A$ の軌道を、$HA$ のように書くことにします。

$G(X, r)$ の根のどれか1つを、$G(X, r^{(i)})$ の根のどれか1つに移すガロア群の置換を $\tau_i$ とします。

$r$ に属する順列の群は $HA$ です。 $r^{(i)}$ に属する順列の群は $\tau_i HA$ です。 $$g(X) = G(X, r)G(X, r')G(X, r'') \cdots G(X, r^{(k-1)})$$ となるように、$r^{(i)}$ が選ばれているとします。 順列の群が直和分割されます。 $$GA = HA + \tau_1 HA + \tau_2 HA + \cdots + \tau_{k-1} HA$$ ガロア群 $G$ が左剰余類分割されます(同じ $G$ の文字で紛らわしくなってしまいました…)。 $$G = H + \tau_1 H + \tau_2 H + \cdots + \tau_{k-1} H$$

次は、補助方程式 $s(X)=0$ がガロア方程式(任意の根が他の根の $k$ 上の有理式で表されるもの)の場合です。

$f$ の $k(r)$ 上のガロア群を $H$ とします。
$f$ の $k(r^{(i)})$ 上のガロア群は $\tau_i H \tau_i^{-1}$ です。
$$k(r) = k(r') = \cdots = k(r^{(p-1)})$$ と仮定しているので $$H = \tau_i H \tau_i^{-1}$$ となり、$H$ は $G$ の正規部分群となります。

次は、$s(X)$ のすべての根 $r,r',\cdots,r^{(p-1)}$ を $k$ に添加して体 $K=k(r,r',\cdots,r^{(p-1)})$ を作った場合。

$s(X)$ のガロア分解式を作って、その根を $\zeta,\zeta',\zeta'',\cdots$ とすれば、 $$K= k(\zeta) = k(\zeta') = k(\zeta'') = \cdots$$ ですから、上記のように、$f$ の $K$ 上のガロア群は $G$ の正規部分群となります。

『ガロアを読む』にはありませんが、ガロア群の右剰余類分割について。

体 $k$ 上のガロア分解式 $g(X)$ を $k(r)$ 上で既約因子の積に分解します。 $$g(X) = G(X,r)G_1(X,r)G_2(X,r)\cdots$$ $G, G_1, G_2, \cdots$ の $X$ の次数は同じでなくてはなりません。なぜなら、各 $G, G_1, G_2, \cdots$ からは、$f$ の $k(r)$ 上のガロア群が求められますが、それらはみな置換の集合としては同じもので、位数も同じでなくてはならないからです。 $$g(X) = G(X,r)G_1(X,r)G_2(X,r)\cdots G_{k-1}(X,r)$$ $G(X,r)$ の根の1つを $\varphi(A)$ とします。$\varphi(A)$ を $G_i(X,r)$ の根のどれかに移すガロア群の置換を $\tau'_i$ とします。

$G(X,r)$ に属する順列の群は $HA$ です。 $G_i(X,r)$ に属する順列の群は $H\tau'_i A$ です。
$G_i(\tau_i\varphi(A),r)=0$ ならば、$h \in H$ に対して $G_i(h\tau_i\varphi(A),r)=0$ となるからです。

順列の群が直和分割されます。 $$GA = HA + H\tau'_1 A + H\tau'_2 A + \cdots + H\tau'_{k-1} A$$ ガロア群 $G$ が右剰余類分割されます。 $$G = H + H\tau'_1 + H\tau'_2 + \cdots + H\tau'_{k-1}$$
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2017-11-22

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その6です。

$\tau$ をガロア群の置換の1つとします。任意の $A_i \; (A=A_0,\; i = 0,1,\cdots,m-1)$ に対して、 $$\tau = \binom{A_i}{\tau(A_i)}, \quad \tau^{-1} = \binom{\tau(A_i)}{A_i}$$ が成立することが分かります。 $$\binom{\tau(A)}{\tau(A_i)}=\binom{A_i}{\tau(A_i)}\binom{A}{A_i}\binom{\tau(A)}{A}=\tau\binom{A}{A_i}\tau^{-1}$$ ですから $\binom{\tau(A)}{\tau(A_i)}$ は $\tau$ による $\binom{A}{A_i}$ の変形であることが分かります。

$$\tau = \binom{A}{B}$$ とします。

$r$ に関する順列の群は $$\{A,\; A_1,\; \cdots,\; A_{h-1}\}$$ $k(r)$ 上の $f$ のガロア群は $$\left\{\binom{A}{A},\; \binom{A}{A_1},\; \cdots,\;\binom{A}{A_{h-1}}\right\} = H$$ $r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{\tau(A),\; \tau(A_1),\; \cdots,\; \tau(A_{h-1})\}$$ $k(r^{(i)})$ 上の $f$ のガロア群は $$\left\{\binom{\tau(A)}{\tau(A)},\; \binom{\tau(A)}{\tau(A_1)},\; \cdots,\;\binom{\tau(A)}{\tau(A_{h-1})}\right\}$$ ですが次のように変形できます。 $$=\left\{\tau\binom{A}{A}\tau^{-1},\; \tau\binom{A}{A_1}\tau^{-1},\; \cdots,\;\tau\binom{A}{A_{h-1}}\tau^{-1}\right\} = \tau H\tau^{-1}$$ $k(r^{(i)})$ 上の $f$ のガロア群は、$k(r)$ 上の $f$ のガロア群の共役であることが証明できました。
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2017-11-19

『ガロアを読む』の §15. 既約方程式の根の添加によるガロア群の簡約 その5です。

$G(X, r)$ の根は、 $\{\xi,\; \lambda_1(\xi),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi)\}$ $$\xi=\varphi(A),\; \lambda_1(\xi)=\varphi(A_1),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi)=\varphi(A_{h-1})$$ なので、$r$ に関する順列の群は $$\{A,\; A_1,\; \cdots,\; A_{h-1}\}$$ $G(X, r^{(i)})$ の根は、 $\{\xi_i,\; \lambda_1(\xi_i),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi_i)\}$ $$\xi_i=\varphi(B),\; \lambda_1(\xi_i)=\varphi(B_1),\; \cdots,\; \lambda_{h-1}(\xi_i)=\varphi(B_{h-1})$$ とすると、$r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{B,\; B_1,\; \cdots,\; B_{h-1}\}$$ となりますが、ガロアは、

 $\theta_p(\lambda_j(\xi))=\theta_q(\xi)$ ならば $\theta_p(\lambda_j(\xi_i))=\theta_q(\xi_i)$

(この意味は、
「$A_j$ の $p$ 文字めが $A$ の $q$ 文字めに等しいならば、$B_j$ の $p$ 文字めが $B$ の $q$ 文字めに等しい」
ただし、左はしの文字を0文字めと数える)

であるから、順列 $A_j$ から 順列 $B_j$ に移るには、順列 $A$ から 順列 $B$ に移るのと同じ置換(すなわち $\binom{A}{B}$)をほどこせばいい、と確認しています(確認してるだけで、この部分がどうしても必要というわけではありません)。

すなわち、$r^{(i)}$ に関する順列の群は $$\{\binom{A}{B}A,\; \binom{A}{B}A_1,\; \cdots,\; \binom{A}{B}A_{h-1}\}$$ です。
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